思いつめている人ほど観てほしいTED Talks〜ある小説家の提案〜
『TED talks(テッド・トーク)』を知っているだろうか?
幅広い各界の専門家たちが、10分〜20分ほどのプレゼンを行う場だ。
マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏や、最近では環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏なども壇上に立っている。
そのプレゼンはYouTubeや公式ホームページでノーカットで誰でも簡単に見ることが出来る。
専門家たちの経験やアイディアが無料で視聴できるのでとてもありがたい存在だ。
まずはTED公式サイトが「人気動画25選」を紹介しているので気になるものがあればぜひ見つけてほしい。
その中でも今回斎藤夏輝がみなさんにおすすめしたい動画は、アメリカの小説家エリザベス・ギルバート氏による『Your elusive creative genius (創造性をはぐくむには)』だ。(日本語字幕も設定できる)
彼女は『Eat Pray Love(食べて、祈って、恋をして)』が大ヒットし、女優ジュリア・ロバーツ主演で映画化。いっきに有名小説家として確立した。
しかしその小説を書き上げた後、エリザベス氏は周囲から「期待に押しつぶされないか・これ以上の」と心配され始めたそうだ。
もちろん彼女の言葉は「YES」
クリエイティブを仕事にする人々は、その『クリエイティブ』によって苛まれ、悩み、命を削られ、自ら人生を絶った人も少なくない、とエリザベス氏は説明する。
「むしろ生き続けるよう、励ますべきでは? 」
クリエイティブには苦悩が必要だと、誰もが仕方ないと思ってしまっている現象に、エリザベス氏は警鐘を鳴らした。
エリザベス氏は古代ギリシャ〜ローマ時代までは、こんな苦悩はなかったと主張。
『ジーニアス』という守護霊が、クリエイターにアイディアを教えていたという。
クリエイターには突然降って湧いてくるようなアイディアがある。
それは『ジーニアス』の仕業だと信じられていた。
つまり、何もアイディアが思い浮かばなくても、それは『ジーニアス』が降りてこないからと理由がつけられた。
しかし、ルネッサンス期には『ジーニアス』という守護霊の存在が無くなっていった。
クリエイターの作品はクリエイターによるものだ、ということだ。
この考えが、昨今のクリエイターを苦しませる現象だという。
エリザベス氏は、今一度『ジーニアス』の存在を認めてみてもいいのではと主張した。
斎藤夏輝はこの考えに感銘を受けた。
これはインターネットを繋げば誰でも、ブロガーやイラストレーター、ユーチューバーなどクリエイターになれる時代だからこそ、再び評価されても良い考えだと思う。
クリエイティブというのはエリザベス氏の言う通り、精神的な負担になる。
これは国境問わずだ。
急にイラストの更新をストップした方も沢山見てきたし、期待に応えられず一線を退くアーティストも沢山見てきた。
ブログだって、日記の一種かもしれないが、文を書き出す作業は結構大変だ。
しかし、それは全部が自分自身の責任ではない。
『ジーニアス』がたまたま降ってこないだけだと考えれば、きっと心が楽になる。
クリエイターだけではない、全ての思い詰めている人たちに捧げたい動画だ。